悪い夢のような/お詫び
ある朝起きるとトリブログがなくなっていたのだった。
そうとは知らないトリたちは、いつもどおり朝の喜びを無邪気にぴいぴいぴいぴい語りあっている。そのうち、ガッとケージに貼りついてこちらの様子をじいっとうかがっている気配がひとつ、ふたつ。ふだんなら、ヒトもほとんど脳みそを使わずに「起きてるねー。びよだねー。びよびよだねー」などと彼らの呼びかけに答えているはずだ。
でも今朝は違う。ヒトは、どのトリとも目をあわせないよう周到に顔を伏せて、でも瞳をぎょろぎょろさせながら玄関からすばやく踊り出た。ばたんと閉まった扉に寄りかかり、それから大きく大きく息を吐く。
勘のいいトリたちに察知されてはまずいのだ。トリブログがこの世から消えてしまったなんて。それも、ヒトがレンタルサーバのおかねを払うのをすっかり忘れて楽しく毎日過ごしていたからだなんて。
だらりだらりと冷たい汗をかきながら、濡れた手のひらを玄関の扉に押し当てて下へ下へと滑り落ちていく重い身体をかろうじて支えている。逃げ出したのはいいけれど、さてこれからどうすればいいのだろうか。
扉の内側からはぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっと大騒ぎする声が遠く聞こえて、こんなことが昔にもあったような気がしてきて何だかぼうっとしてしまう。そう、ようやっとヒトの頭がまた動き始めるのは、もう何分か先の話になる。
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昨日9:00過ぎから本日17:00台まで、当ブログその他が参照できなくなっておりました。その間ご来訪くださった方にはご心配をおかけしてしまい、申し訳ありません。
データが失われていた場合、いったいどこまでバックアップを残しているのか考えただけでも肝が冷えました。冷えましたが、「また一から新しく出直して今度こそ真面目に楽しく毎日更新すればいいのだよ、ほらトリだってぴいぴい言ってるよ」という偽りのポジティブシンキングに身をゆだねてしばし思考停止しかけたのもまた事実。我がことながら何だかいろいろ通り越して感心すらしてしまいましたよ。
結局、サーバ利用料請求の連絡をなぜか料金引落し結果通知だとかたくなに信じ込んで疑わずに過ごしていた、というお粗末なオチでございました。あわてて昼休みに銀行に走って行ったので、後1年は無事に過ごせるはずです(でもバックアップは取っとくよ!)。他のページについてはいずれ何とかしたいと考えておりますが、トリ関係は残すつもりです。お騒がせしてすみませぬ。