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2007年04月 アーカイブ

2007年04月18日

悪い夢のような/お詫び

ねじ

ある朝起きるとトリブログがなくなっていたのだった。

そうとは知らないトリたちは、いつもどおり朝の喜びを無邪気にぴいぴいぴいぴい語りあっている。そのうち、ガッとケージに貼りついてこちらの様子をじいっとうかがっている気配がひとつ、ふたつ。ふだんなら、ヒトもほとんど脳みそを使わずに「起きてるねー。びよだねー。びよびよだねー」などと彼らの呼びかけに答えているはずだ。

でも今朝は違う。ヒトは、どのトリとも目をあわせないよう周到に顔を伏せて、でも瞳をぎょろぎょろさせながら玄関からすばやく踊り出た。ばたんと閉まった扉に寄りかかり、それから大きく大きく息を吐く。

勘のいいトリたちに察知されてはまずいのだ。トリブログがこの世から消えてしまったなんて。それも、ヒトがレンタルサーバのおかねを払うのをすっかり忘れて楽しく毎日過ごしていたからだなんて。

だらりだらりと冷たい汗をかきながら、濡れた手のひらを玄関の扉に押し当てて下へ下へと滑り落ちていく重い身体をかろうじて支えている。逃げ出したのはいいけれど、さてこれからどうすればいいのだろうか。

扉の内側からはぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃっと大騒ぎする声が遠く聞こえて、こんなことが昔にもあったような気がしてきて何だかぼうっとしてしまう。そう、ようやっとヒトの頭がまた動き始めるのは、もう何分か先の話になる。

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昨日9:00過ぎから本日17:00台まで、当ブログその他が参照できなくなっておりました。その間ご来訪くださった方にはご心配をおかけしてしまい、申し訳ありません。

データが失われていた場合、いったいどこまでバックアップを残しているのか考えただけでも肝が冷えました。冷えましたが、「また一から新しく出直して今度こそ真面目に楽しく毎日更新すればいいのだよ、ほらトリだってぴいぴい言ってるよ」という偽りのポジティブシンキングに身をゆだねてしばし思考停止しかけたのもまた事実。我がことながら何だかいろいろ通り越して感心すらしてしまいましたよ。

結局、サーバ利用料請求の連絡をなぜか料金引落し結果通知だとかたくなに信じ込んで疑わずに過ごしていた、というお粗末なオチでございました。あわてて昼休みに銀行に走って行ったので、後1年は無事に過ごせるはずです(でもバックアップは取っとくよ!)。他のページについてはいずれ何とかしたいと考えておりますが、トリ関係は残すつもりです。お騒がせしてすみませぬ。

2007年04月21日

イタイところを

さじ

やっぱほんとにまるいかも。(2007/4/23 21:25追記)
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メモ代わりにカメラを使うことが多い。その後、モニター画面を向けて相手に差し出せば、汗をかきかき口頭での描写に努めずとも問題点の共有には十二分に事足りる(事足りるのだけれど、でももともと乏しい言語能力のさらなる衰えに、拍車をかけているような気もしている今日この頃ではある)。

さて先日職場でのこと。そんなところにあるはずのない穴を見つけて、どうして今まで気づかずにいたのかと呆れて写真を撮った。後でそれを見せながら話をしていると、隣で覗きこんでいたアマキさんが「まるい...」とぽつりとつぶやいた。いえいえ穴は四角でしたよ、と目を落とすと、送りボタンを押し過ぎていたようで、画面には件の穴でなくうちの青いトリが表示されている。「ねえ、まるいよね」と重ねて言われてヒトは激しく動揺した。

いやっ、トリという生き物は正面から見ると予想以上に重心が低くてっ、特にインコは頭がでかいから二頭身っぽく見えてっ、春先でもちょっと冷えるとこいつら防寒のためにふくれるしっ、やややっ、ふくれるって言っても肉じゃなくって羽根がっはねがはねがっ、ででででっ、こいつは標準体重よりほーんのっ、ほーんのちょっと重いくらいでっかわいいものでっ、アマキさんは知らないだろうけれどっ、でもでももっともっと上には上がっ上には上がっ(はあはあはあ)。

ヒトは、ヒトはどうしてあんなにうろたえてしまったのだろう。

「まるくてしやわせなのはよいことですよ」とアマキさんはやさしく微笑んでくれたのだが(でも「しやわせな」のはどうもトリではなくヒトにかかっているようだった)、ヒトは前後も忘れてただ、いやいやいやっと激しく頭を振ることしかできなかった。

2007年04月22日

リハビリテーション

メエ

びっくりするほどトゲトゲのおねーちゃん。(2007/4/23 21:30追記)
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何となく不調である。何となくの度合いが自分でも量りかねるのだけれど、食あたりでうんうん苦しんでいた昨日に比べれば、コーヒーを淹れて飲もうとする気力があるのだから今日は調子がいいと思う。もっともヒトはカフェイン中毒の気がおおいにあるので、コーヒーは指標にはならないかも知れぬ。くるしくったってかなしくったって、たいていコーヒーを淹れているものだ。健全でしやわせな生活のためには、コーヒーと縁を切ってYOGI TEAでも飲むようにした方がいいのではないだろうか。しかしヒトには愛するみるっこが。ああ私のみるっこ!

ひとり遊びから我に返って振り返ると、ケージの中から8つの瞳がこちらを見ている。

「ヒトちゃん、ケージがくさいよう」
「ヒトちゃん、びよっ葉がしわしわだよう」

ああこれもまた妄想だ。トリたちはただぴよぴよ言ってるだけなのに。

「ヒトちゃん、みるっことトリとどっちが」
「ヒトちゃん、びよたちは恨んでなんか」

たまりかねてケージに腕を突っ込むと、青びよどもは「ひっかかったなヒト!」「ちょろいぜヒト!」と叫んで隣室まで脱走していった。腹立ちを前向きな活力に変換して、フンきり網と止まり木を水洗いしてから敷き紙を新しくし、えさと水も取り替える。頭の中をよぎったHeading for the lightのNelson Wilburyの歌声に、しばし身をゆだねる。それから自由を求めて脱走したくせにカーテンレールの上で愛をささやいていて全然運動しない青びよ2羽をやすやすと回収し、次は緑びよ側で同じことの繰り返し。緑びよたちはヒトの頭の上でぴきぴき怒りながら作業を注意深く監視している。

ケージが汚れていると、トリは十割増しで不幸そうに見えるものだなあ。それから、ヒトの「何となく不調」はたいがい大丈夫みたいだなあ。りんごをむいてやってごめんなさいようとトリに謝っていたら、ようやくみるっこのことを思い出した。妄想も止まったし、そろそろヒトの好きにしても許されることだろう。

2007年04月23日

春のまるまる

ねじ

先日のブログ消滅事件にいたく反省して、ここ数日最近にしては例のないほど真面目に更新を試みている。しかし、トリブログは名ばかりでヒトは自分のことしか書いていないかも知れない。またしても深く首を垂れる人間ひとり。

というわけでトリの話題だ。

メエギイの換羽が始まって体重が落ち出した頃、反対にねじさじは妙にぷりぷり愛らしく太ってきた。こちらもそのうち換羽に突入なのだろう。ぴよぴよ言っててもそろそろおっさんなのだから体力つけてがんばれよ!、とヒトは陰ながらエールを送ったものだが、今日に至るまで羽根が抜け始める気配すらなくつやつやしてるのはどうしたことだ。君たちはただぷりぷりぷりぷり幸せに太っただけなのか。

ねじと対峙して、万感の思いを込めてその目をじっと見つめる。ねじはまったく平気な顔でヒトの目をじっと見返す。

明日からもっとつかんでもっとぶん投げてやらねばならぬ。

2007年04月26日

換羽と四重奏

メエ

ギイ

上がメエ、下がギイ。
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ひとり大換羽中のメエは最近とりわけ怒りっぽい。もともとケージの手前側がメエのテリトリーで、ヒトが近くにいるときにギイが寄ってくるとすぐさまぴきぴき警告して「おねーちゃんそれはあんまりだ」とヒトですら思うことがあったのだが、近頃は体力消耗のせいか後方に引っ込みがちだ。ヒトが呼んでも前に出て来なくなり、メエに関心を示されるのに慣れていたヒトの心にはときどきさみしい風が吹く。メエを追いかけるようにギイの羽根も薄くなってきた。それから懸案の青いおでぶたちの尾羽が1本ずつ抜けた! しかし換羽期の体重減少を肥満解消要因として期待するのは本当はだいぶ間違っている。

ヒトが遅い時間に起してしまった後、ねじさじは再度寝る体勢を整えながらやけに盛大な音をたててくちばしとぎを始めた。つられたようにメエギイもささやかにじょりじょりと始める。これは音としてはけっして愉快な類いのものではないのだけれど、うちのトリのじょりじょりだと知って聞けばたいそう趣き深い音色で、ヒトはケージの前にしゃがんでずっと聞いていた。じょりじょり四重奏だ。

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