ヒトの器トリの器
それは昨日の日曜日のこと。
さじ
「ヒトがへやのすみでひとりでうなだれてるのでようすをみにいくと、『糸がからまってもうほどけない』とあみ針をなげだしてたいへんつかれたかおをしていたのでした。なんだそんなことならさじにまかせとけ。そういうときはてきとうなところをてきとうにくちばしでくわえて、てきどなだえきでしめらせてくちゃくちゃかむとなんでもすぐに楽しくなるものです。
くちゃくちゃくちゃ、あそれくちゃくちゃくちゃ。糸はだんだんだんごになっていきます。おてつだいはじゅんちょうだ。ヒトもいっしょにかんでみるといいぞ。
きがつくとヒトはものすごいこえでわあんわあんと泣いていて、それからすごいいきおいでさじをかごにほうりこんで『2時間かけてほどいてたのに!』とさけびました。そうして針と糸をあっちにぶんなげてから、トリの梨をぐるぐるむいてぜんぶわしゅわしゅ食べてしまいました。
なにがわるかったのか、さじにはちいともわかりません。あの梨はトリの梨なのに」
どうせさじは指食ってりゃいいじゃん。
こんなこのヒトが今年いくつになったのか、問うてはいかんぞよ。