トリの愛ヒトの愛
ねじさじを育てたときは「ヒトを好きになあれ」としつこいくらいに呪文を唱えていたものだったが、メエギイの雛時代にはヒトはわりに淡々としていた。そもそも性格がきつめでドライなメスセキセイ、しかも2羽同時の養育である。元気でヒト嫌いにならないでくれればそれでいい、くらいの気持ちでおつきあいしてきた。
だがいったいいつからだったのだろう。今ではメエギイはそうとうヒトが好きらしいのだ(そしてありがたいことに、ヒトを卵の父親にと見込んではいない)。
ヒトへの関心や愛情を隣のケージに向けて欲しいと思うのだけれど、そこがなかなか難しいのが悩みの種である。先日緑2、青1で放鳥していたら、メエギイは協同して狩りをするメスライオンのように阿吽の呼吸で二手に分かれ、いたいけなさじ男をどんどん隅っこに追いつめて行った。それは端から見ていても実にみごとな連係プレイであったのだが、もちろんヒトが彼らに期待するしやわせのかたちではない。
強行手段しかないだろうか。
ヒトのこころを読んだかのように、ケージの中の青いトリどもがそろってぶるんと身震いをした。