風邪薬を飲んだところすごい勢いで眠気がやってきて、日中2時間ほど眠り込んでしまった。ぐうぐうぐう。問題なのは、そのときねじさじがケージの外に出ていたことだ。
引きずり込まれるような不自然な眠りの合間に、人間山は悪夢をたくさん見た。どこかで見たような青い鳥が代わる代わるやってきて、身動きできない人間山を掛け布団の上からじいっとのぞいていたり、横向きに寝ている人間山の耳にふわふわで暖かい毛玉がぐりぐりと突っ込まれて、悲鳴をあげてもやめてもらえなかったり。そうそう、開かない薄目を無理やり開けて鳥を数えなければいけない、という強迫観念の夢もあった(「鳥1あそこ、鳥2も無事...(ぐうぐうぐう)」)。
2時間後ようやく意識がはっきりした人間山はぞっとしたのだが、もちろんそれは自分の迂闊な飼い主ぶりに対してだ。部屋は散らかっていてねじさじが事故にあう可能性は高かったし、人間山自身が彼らの上に寝返りを打ってしまったかも知れなかった。
幸いねじさじは何事もなく、お気に入りのスチールラックの上でまるくふくらんで眠そうな顔をしていた。人間山があわてて立ちあがると、2羽してぐいーんと伸びをした。