ねじさじのケージに豆苗を入れてやってから、メエギイにもと思ってもう1束そろえていたら、急にさじが手の中に飛び込んできた。ぼはぼはに羽毛をふくらませて豆苗に飛びかかり、水浴びする気まんまんなのだ。しどけなく広がった青と白のふわふわが、ヒトの手のまわりをひたすらくるくるくるくるまわる。メエギイの豆苗はあえなく折れ曲がり、さじはそれをまた惜しみなく踏みしだき、緑びよたちは隣のケージからそれをじいっと見ている。ねじはあくびをひとつ。
自分の手元を呆然と見おろしながら、ああこれは本当に幸福な時間なのだとヒトはようやく思い至る。