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ねじのいない日2

さじ

今週はいろいろつけがたまっていて、帰りの遅くなる日が続いている。家に戻ってきたときにはだいぶ疲れて気持ちも弱っていて、紫の花を投げ込んだ花瓶の前にぺたりと座ってしばししくしくと泣く水曜日。騒ぎに起き出してきたさじさんに顔を寄せてみたら、不意にすうすうとヒトの眉間に涼しい風が吹いた。そうだった。さじさんは我が家で一番鼻息があらいのだ。すうすうすうすう。

あの日、ケージの中のさじに会わせようとねじを連れてきたとき。感動のご対面になるはずが大真面目な顔をしたさじさんの鼻には実に立派な綿羽がひっついていて、ふわりふわりと鼻息に揺れていた。そう、それはねじの最後の日のことだ。さじさん、ここもあそこも笑わせる場面じゃないのに。

ありがとう。

一昨日のことだったか、デジタルカメラで撮ったトリの動画を見返していたら、さじは聞こえてきたオスインコのさえずりにかわいそうになるくらい喜んだ。カメラのまわりをぐるぐるぐるぐる駆けまわり、しまいには上に飛び乗ってぴよぴよぴよぴよのどを鳴らして呼び返す。うれしそう。幸せそう。でもさじさん、本当言うと再生してるのは君の動画で、聞こえているのは君のさえずりだったんだ。

ごめんな。

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コメント (2)

オカピ:

はじめまして。
mixiで最近足跡つけてたオカピです。
(あいさつもなしですみませんでした)

こちらで初めて羽衣セキセイの存在を知り、ねじさじファンになっていたので今回の事は残念でなんとも申し上げようが無いです…

動画の声に反応して喜ぶさじくんを想像すると泣けてきますが私が泣いちゃってもしょうがないですね。

以前一緒に暮らしていたコが☆になってしまった直後、何も知らずに「奇蹟の輝き」とゆう映画を見てしまって号泣しましたが、意外と癒された記憶があります。
もし人間山さんがご存知ないようでしたらごらんになってみてください。

生き物と暮らすって楽しいけどせつないですね

人間山さんも鳥ちゃん達も体調にはくれぐれもお気を付けください

オカピさん、こんにちは。
トリとヒトを気にしてくれてどうもありがとう。

さじは元気そうに見えますが、ずっと兄弟一緒だったのでやっぱり相当さびしいようです。ヒト自身の気持ちの道筋はだいたい分かっていて、今のしんどさがどのように推移していくか想像や納得もできるのだけれど、残されたトリの気持ちは本当のところはかり知れません。少しでもこころ穏やかにと思っています。

「奇蹟の輝き」未見です。でもどこかで聞いたタイトルだと思ったら原作がマシスンなのですね。ずっとずっと気になる作家で、偶然ですがねじの闘病中にある本を書店で手にとりかけました(が、さすがにこの時期どうかと思ってとりやめに)。ヒトは今のところばりばりの現世主義なのですが、エンタテイメントに関してはそれはそれこれはこれ。面白そうですね。見つけて観てみたいと思います。

>生き物と暮らすって楽しいけどせつないですね

そう、そしてせつないけど楽しいこともどんなときも忘れないようにしようと思います。

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2008年06月11日 23:23に投稿されたエントリーのページです。

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